[画家になるために…]上手くいっている時ほど魔物がいる

 

ようやく、個人で仕事がいただけるようになって

絵のお仕事とバーの収入で旅の資金が貯まっていた頃でした…

 

 

 

そろそろバーの仕事も辞めて絵を描く事を一本で旅立とうと心に決めていた

 

 

 

 

そんな時、突然一本の電話が鳴ります…

 

 

 

それは

しばらく疎遠になっていた両親からの電話でした

 

 

元気?という会話もなく電話ごしでは母が泣いていました…

 

 

 

何が何だかわからず何が起きたのか?と問いかけます

 

 

 

「お父さんが多額の借金していた…返せない…どうしよう…」

 

 

 

父の多額の借金が発覚したのです

 

 

 

突然の告白に私も唖然としました…

 

 

 

なんで?と聞いても知らない!わからない!の言葉ばかり

金額を聞くと、到底私には払えない額でした

 

 

もう一つ大きな問題は父が会社を辞めていた事…

 

 

 

働いていないという事はお金を返せないということ…

 

母は体が弱くて働けない

 

私には兄がいますが父との関係がキッカケで失踪中…

 

 

 

家族の中で働いていたのは私だけでした

 

 

 

何とかしようにも…もうどうしていいかわかりません…

 

  • お金を返していく…何年かかる?

 

  • 旅はどうなるの?

 

  • 両親の生活費も援助しないといけない

 

  • 私まで仕事を辞めてしまったら…

 

 

何度考えてもすぐに旅に出る事は絶望的でした…

 

 

そして私の脳裏には

一生借金を払い続ける生活が浮かんでいました

 

母からの電話地獄

もう仕事を休んでしまいたいほど思考が止まっていました

 

 

しかし、絶望感はありながらも働かなくてはいけなかった…

 

 

 

とにかく借金を何とかしないといけなかったから…

 

 

 

その日も夜働いているとまたも電話が鳴ります

いつものように母からの電話…

 

 

一日に何回もなんとかしてよ電話がかかってくる…

 

 

私だって何とかしたいよ……今仕事中だから!と伝えても

鳴り止まない電話…

 

 

 

正直、仕事になりませんでした…

 

 

 

母にとってもそれだけ辛いんでしょう…

 

早く解決したいんでしょう…

 

 

 

でも、解決する方法なんて簡単には見つからない…

 

 

 

 

鳴り止まない電話にバーのお客さまも心配している様子

 

お客さま:「大丈夫?何かあった?」

 

 

 

お客さまにこんな重い話してもいいのかな…?

 

 

 

この時、話すかどうか迷いに迷っていました…

 

 

 

けど、このままだと私の精神が壊れると思い、話す事に……

 

 

 

私:「実は………」

初めて母から電話があった時からの全てのことを話しました

そしてもうどうしていいかわからないことも…

 

 

 

真剣に私の話を聞いてくれたお客さま…

 

 

 

人に身内の話をする事に悔しさと恥ずかしさと、情けなさもありました…

普段、身内の話はしない私がその時、初めて話してしまった…

 

 

 

誰かに聞いてほしかった…

 

 

 

それだけ一人で抱え込む事がしんどかった…

 

 

 

ただ、聞いていただいた事で私の気持ちは少し落ち着きを取り戻せた気がします

 

 

そして

話した事で自己嫌悪に陥っていた私にお客さまは救いの提案をしてくれました

 

 

 

「noraちゃんの夢が叶うのは少し遅れちゃうかもしれないけど…」

「いい弁護士さんいるから紹介しようか?」

 

 

 

私を気遣ってくれて更に弁護士さんまで紹介⁈

 

 

 

まだ解決もしていないけど、光が見えた瞬間でした

 

 

 

そのお客さまは後日、本当に弁護士さんを紹介してくれたのです

 

解決するための行動が始まった

まずは両親には内緒で弁護士さんにご相談

 

 

父が何で借金したのかも聞かされていなかった私は

そのまま全てのことを話しました…

 

 

弁護士さんも快く協力してくれる事になり

両親と話がしたいということで、母にだけ伝える事に

 

 

そして、母を安心させるため生活費を振り込むと約束し

 

 

 

これから話し合いが行われるはずだったのですが…

 

 

 

 

なぜか父だけは消極的でした…

 

 

 

行きたくない!話したくない!俺が何とかするから!

と、聞く耳を持ってくれません…

 

 

 

もう訳がわかりません…

解決するためにやってるのに何で⁉︎

 

 

一向に変わらない父の態度にだんだん怒りを覚えました

 

今思えば、私たちに借金した理由を知られたくなかったのだと思いますが…

 

 

弱みを見せたくない気持ちはわかります

 

 

でも全てを話さないと弁護士さんも協力できない

そう父に伝え、私がいると話さないので弁護士さんで対応してもらう事になりました

 

 

 

 

その間、いろいろ話し合ったり喧嘩したり

 

借金発覚から2年後…

 

 

 

 

借金はなんとかなりそうでした

 

 

 

 

本当に弁護士さんに感謝しかありません!

 

 

心を開かない父に諦めずに向き合っていただいて…

 

 

解決する方向まで持っていってくれた…

 

 

そして弁護士さんを紹介していただいたお客さまにも

感謝と解決しそうなことをお伝えできました

 

 

 

その後、

父も新しい仕事を見つけて働き出したとのこと

 

 

これで元の生活に戻れる!そう思っていました

 

 

 

そんな時、不幸は続きます…

 

 

 

母の病気が見つかったのです

 

母の病気は血液のがんでした…

 

 

何でこうも予測できない事が起きるのか…

 

 

 

幸い、薬を飲み続ければ普段の生活はできるみたいです

ただ母は怪我をしたら血が止まらない病気なので制限がある生活になりました

 

 

母の大好きだった温泉も感染症が危険なので行けません

 

 

これから検査にも痛い思いもするでしょう

 

 

薬代も高く出費も多くなるでしょう…

 

 

それでも母は

 

 

  • 借金がなくなった事

 

  • 父が働き出した事

 

  • 元の生活ではないけど生活できている事

 

 

私に感謝の言葉を言ってくれました

 

 

 

一番辛い思いをしたのは母なのに…

なんて強い人なんだとその時初めて母の強さを知りました

 

 

 

 

飛んでいく貯金……そして全て無くなりました

父の借金を解決する為

 

がむしゃらに動いた結果…

 

 

貯金はいつの間にか無くなっていました

 

 

両親の生活費、弁護士費用、母の薬代

全てに使い果たしていたのです

 

 

でも…

 

それでもよかった

 

解決したのだから……

 

 

ただ、もう旅はできない

 

またお金を貯める為に何年かかるのか…

 

 

しかしこのどん底の経験をした私はいつの間にか強くなっていました

 

この先、困難な状況になっても乗り越えられる自信がついた!

 

お金はまた貯めればいい!

 

何が起きても解決方法はいくらでもある!

 

人に頼ることもできるようになった!

 

 

なぜかこんな状況で希望に満ちていました

 

 

自由に生きる為に再び絵を描き始める

 

しかし、貯金が無くなって初めて感じた感覚…

 

 

このままじゃ、これから先も安定はないのだと…

 

 

 

順調に思っていた生活もいつ脅かされるかわからない

 

何かにしがみついても突き落とされるかもしれない

 

何かを大事に守っていてもいつなくなるかわからない

 

 

だったら自分が後悔しない選択をする

 

 

 そして、自由に生きる!!!!

 

 

 

2年間のどん底経験で、驚くほど強くなった私は

 

 

本当の意味での自由に生きる自分を模索していくのです

 

 

本当…人生は何が起こるかわからない…

「好きな事をして自由に生きる」そんな選択肢があるのなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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