
こんにちは、noraです
今回は、まだ制作途中の作品ではありますが、
色を感覚で塗るスタイルのトラの絵について
私なりのアクリル画の描き方をご紹介しようと思います
結論から言えば
私の描き方の1つはかなり感覚的な部分も多く色を重ねながら徐々に変えていくスタイルです
ですが、その中にもいくつかの技法が混ざっていて
それを知ることであなた自身の絵にも活かせるヒントになるかもしれないので
是非最後までお付き合いくださいね!
目次
今回のモチーフ:虎(トラ)の描き方手順!
今回は私の好きなトラ!!をモチーフにしました
何だか、強い!カッコいい!守ってくれそう!というワードが浮かんだので
迫力があるイメージで描いていきたいと思います
まず、背景を塗り始めた時点では、まだ虎を細かく描いていません
構図の中で虎が入ることをイメージしながら、感覚で背景を塗り進めていました
絵の進め方としては👇
- 背景を自由に塗る(でもモチーフの存在は意識)
- 虎のシルエットをざっくり描く
- 光と影の大まかな明暗をつける
- 色を何層も重ねながら変化を加える
- 全体のバランスを見て調整
という流れで進めています
1.背景を自由に塗る(でもモチーフの存在は意識)
まずアクリル画は重ねて描いていくことが可能な絵の具です
なので、順番は自由なんですが、今回も背景から塗っていきます
と、写実的に描く時と違う事は「自由」に塗るが大事になってきます
しかし、この自由にっていうのが癖もので、自由って言われたらどう塗ったらいいか悩みませんか?
なので、私なりの色を選ぶ考え方は
「明と暗をざっくり分けて塗る」というのを意識しています
例えば、暖色と寒色を分けて塗ってみたりします
これ、結構やるんですが光がある場所と影になりそうな場所を最初に決めておくと
その後のモチーフの位置、向き、大きさなどが決めやすくなるんですよね〜
他にも補色同士を塗ってみたり(インパクトのある色の使い方)
あえて同系色でまとめてみたり…
これは感覚と完成する絵のイメージをしながら作っていくとわかりやすいかなと思います
そして、この背景に使った画材は主にペインティングナイフ
偶然できる色の重なりとかすれ具合、筆では表現できないタッチになるので
持っている方は是非試してみてくださいね!
ちなみに最初は水で薄めた絵の具を手で伸ばして下地を作りました
手で描くのも面白いので遊びがてらやってみてください
2.虎のシルエットをざっくり描く
背景が乾いたら次は虎のシルエットです
今回はシルエットの中を塗り潰さず、背景の色も活かしたかったので線だけで描いていきます
ここでのポイントは描く前にモチーフの大きさを決めておくといいですよ
・キャンバスいっぱいにモチーフを描くのか…ちょっと中心からずらして描くのか?
・あえて背景を活かして小さめのモチーフを作るのか?
(例えば、背景に月を描いて風景みたいにするとかですね)
そして、このモチーフの大きさで印象がだいぶ変わります
今回私は迫力をイメージしているのででかでかと描いています
これはあなたがイメージした事と照らし合わせながら考えてみてくださいね
3.光と影の大まかな明暗をつける
これは写実的に描く時にも同じですが
シルエットの次は明暗をつけておくとその後の工程がわかりやすくなります
始めはザックリと明暗をつけていって
その後色を塗りながら細かな陰影をつけていくという感じです
この最初の明暗を作る事で絵の全体の構図が決まってきますので
これは、色を細かく塗る前に明暗を作っていく事をオススメします
4.色を何層も重ねながら変化を加える
シルエット、明暗をつけたらやっと色を塗っていきます!というより
「のせていく」という表現が合ってるかなと思ってます
ここで使う筆は何でもいいのですが平筆や、斜版筆が塗りやすいです
ペインティングナイフもいいのですが、細かな箇所は難しいので
大まかに色をのせるところなどに使ってみてくださいね
それで、今回トラの絵に使った技法も一緒にお伝えしていきますね
レイヤリング(Layering)
色を一度で決めず、透明・半透明の絵の具を何層も重ねていくことで深みや立体感を出しています
特に虎の毛並み部分では、紫や青、ピンク、緑など
いくつもの色が透けて重なって見えるようにしています
同じ緑でも、違う緑を上から重ねて色味を微妙に変えてみたり
紫を赤や、青を混ぜて重ねる事で深みのある影を作ったりなど
重ね塗りの中でもレイヤリングは重ねれば重ねるほど深みが出る感じがします
初心者さんは特に1色か、2色で終わってしまいがちになるので
何層も重なるという技法を使っていくと全然絵が違って見えてきますよ!
ドライブラシ(Dry Brush)
背景や虎の一部に、絵の具を少ししか含ませない筆でこすりつけるように塗る技法を使っています
これによって、ザラついた質感や偶然のかすれ模様が生まれ、画面にリズムが出るんですね!
ドライブラシは硬めのナイロン筆でもいい味が出ると思います
ぼかしブラシなど、いろんな筆で試してみるのも面白いかもしれないですね
グレーズ技法
明確にレイヤリングとは区別しづらいですが、光を感じさせるために、透明度の高い色を重ねるグレージング的な手法も混ざっています。
これは影に多く使っています
それと、明るい箇所の色味を少し変えたいところに上から茶色とかを塗ったりして…
この技法も、深みをだすのに効果的なやり方ですよ
補色・明暗のコントラスト
構図の中で、補色同士(青とオレンジ、緑と赤など)や明暗の差を活かしてインパクトを強めにしてますよ
たらし込み
色が偶然混ざり合ったり、筆に水分を多く含ませて水が垂れるような表現をしています
5.全体のバランスを見て調整
最後は微調整ですが、まだ完成していないので…
一応確認するポイントをお伝えすると
- 全体の色のバランス
- 浮いた色味はないか?
- 光と影のバランス
- 目の描写
- イメージした時の絵になっているか?
この辺りを見直していくと、修正箇所や、ここはいい感じ!など見えてくると思います
ここは最終段階ですので気を抜かずに確認してほしいと思います
最後に…
今回ご紹介したのは、まだ完成前の1枚です
背景→シルエット→影→色の順番で描く流れや
色を重ねていく中で“深みが出ていく”過程を楽しんでいる様子が伝わればいいなと思います
そして、私自身、最初からすべてを設計して描くタイプではありません
「色がちょっと違うな…」と思えば上から別の色を重ねたり
「もう少し光を入れたい」と思ったら、あとからハイライトを足してみたり…
つまり、直感を信じて“変えていく”絵になっています
なので、あなたの直感を大切にしながら技術を学んでいく
それがあなたらしい絵を作る軸になりますからね
描き方に正解はありません!!
しかし、技法の名前を知ることで
「なんとなくやっていたことに意味があったんだ!」と思えるかもしれません
これからも、私なりの描き方を、感覚の部分も含めてシェアしていきますね
それでは、トラの絵の続きを描くのでこのへんで失礼します
完成はXや、Instagramで発信していくので是非覗いてみてくださいね
最後までお読みいただきありがとうございました