初めての個展も無事終わり、また元の生活が戻る…
ただ今までと違う事は
絵を買っていただく経験ができたということ
絵は本当に好きな方にお逢いできれば買っていただける体験をした
これ以上に自信がつく方法はないほどの経験でした…
そして幸運は続きます
どこかで噂を聞きつけたのか?
新聞社の方がバーの仕事場まで訪ねて来られて…
話を聞くと今度、小学校に配布するこども新聞というのを作るらしい
それで小学校の子たちが読む新聞にキャラクターが必要との事
それをnoraちゃんにお願いしたい……と…
えっ⁉︎えーーーーーーー⁉︎
またとんでもないありがたいお仕事が!
でも待って!
ん?
キャラクター?
それはイラストレーターの方の方が向いているのでは?
私は画家になりたい人間で、キャラクターは描いた事はないとお伝えすると
絵が描けるのは変わりないでしょ?
その意見に……確かに…
また悩みました
描いた事のないキャラクター…
確かに絵を描くという事自体は変わらない…
唐突に、画家を目指し始めた頃の
絵が描けるだけで幸せだった想いを思い出しました
不安な時は挑戦する方を選ぶ
そしてまた新たな挑戦が始まります
不安ながらも承諾した私は
数日後、新聞社本社に呼ばれ打ち合わせをする事に…
こんな大企業さんとお仕事をする事になるなんて…
絵を描けるようになるんだ!と
上達することだけを必死にやっていた頃には
想像もしていなかった出来事です
打ち合わせでは
会社の上の立場の方、数人に囲まれ和やかに進んでいきます
私はというともうガチガチに固まり、人見知りな性格が
この場で発揮!全然話せません…
「noraちゃんどう思う?」
えーと、……このキャラクターのコンセプトは……
もう、グダグダです…
でも何とかキャラクター像は決まり、色味も決めて
合計6体のキャラクターを描く事に決まりました…
その後も何回も描き直し、色変え、細かいコンセプト設定…
ようやく出来上がったキャラクターたち…愛着が湧きますw
妥協を許さない姿勢
こども新聞とはいえ、企業さんが作る設定は細かくてしっかりしていました
妥協もない姿に最初はタジタジでしたがその光景に納得がいきました
お届けするものに妥協はしてはいけない
絵の仕事も一緒だと想った
今の自分の精一杯をお届けする
だから人はそれを見て感動するし、自分も成長する事ができる
成長するために妥協はしてはいけない…
そんな身が引き締まる想いで絵を描いていくと改めて決めた出来事でした
この出逢いから16年ほど経ち、今でも一緒にお仕事させていただいてます
始めはデジタルで絵も描けず、手描きからのスタートでしたが
今ではiPadで描いてどこに居ても仕事ができる環境になりました
コツコツ続ける事の大事さを改めて実感します!
急に襲ってくる感情…
この頃は新聞社のキャラクターのお仕事、お客さまからの絵のオーダー、
バーのお仕事で忙しく、それでも楽しくて絵を描く生活が叶ってきている…
そんな光が差したような感覚にこれから先の未来が明るいのだと思っていた
しかし……
そんな明るい未来を見ているにも関わらず襲ってくる不安…
よく考えてみたらやっぱり絵だけの収入では生活できていない…
単発の絵のオーダーは毎回あるわけじゃない…
キャラクターの仕事も毎月あるわけではない…
バーの仕事を辞めたら絵の仕事は継続して入るのか?という不安から
バーの仕事をどうしても辞める事ができませんでした…
絵描きの旅に出るための資金もあと少しで目標額に達するというのに…
どうしても勇気が出ない…
でも今動かなければずっと動かない選択をしてしまうかもしれない
頭ではわかっている…
人は今の居心地がいい場所から出れなくなる癖がある
その方が楽だから
その方が安全だから
ここの場所で生きていこうよ!
外の世界は危ないよ?危険だよ?
と囁いてきます
その囁きを受け止めて行動する人だけが新しい生き方を選択できる
しかし、私の不安は日に日に膨らんでいき、動けずにいました
それは…
ただお金が減ってしまう事が怖かったのです…
安定した収入がある今の現状から不安定な旅に出るのが怖かったのです…
私は新しい事を始める時にすごく腰が重くなります…
どうしてもやらない言い訳を探してしまうのです…
けど、今のままいつご依頼があるかわからない絵のオーダーを受けながら
絵を描いていくのか…⁇
たとえお金が少なくても…
旅に出て世間を見て、まだ出逢っていない素敵な人達と出逢い
時間を絵を描く、絵を販売していくことに費やしたほうが幸せなんじゃないか?
時間は有限です
時間は唯一、平等に与えられているもの
その時間をどう使うかによって変わっていく…
お金が無くなったらまた稼げばいい
このまま何も動かずに後悔はしないのか…?
このグダグダ悩んでる間も時間が過ぎていく…
もう!やるしかない!
思い切って外の世界へ飛び出す決意をした私はバーの仕事を辞めるため
残りの資金を貯めるため必死で働きました
そしてようやく、資金も貯まり行き先も決めてバーのお仕事を辞めさせてもらう事を
伝えようと思っていたその夜の事です…
突然、
一本の電話が鳴ったのです……