こんにちは!noraです
今回は勝手に個人企画!
アクリル絵の具でどれだけ動物の毛を細く描けるかチャレンジをしました!!
お題はライオンのグレースケールです
世間ではキャンバスでは細かい描写は難しいと言われているので
本当にそうなのか?を検証いたしました
そして、グレースケールの絵を描く時や、細かく毛を描く際の筆選び、コツなど
気づいた点をお伝えできればなと思います
目次
準備するもの
今回は
- F3サイズの裏張りキャンバス
- ターレンスジャパンさんのアムステルダムアクリリックカラーチタニウムホワイト、ランプブラックのみです
- 筆は斜版の筆、キャムロンプロアルテージュ2号筆です
- ジェッソ(キャンバスに塗る下地剤)をモノクロなので黒にしました
また動画もありますので少し長いですがメイキングをどうぞ!
グレースケールでもカラーでもプロセスは同じ
グレースケールでもカラーでも動物の毛を描く時は下地の色をまず決めます
今回はグレースケールなのでブラック、暗めのグレー、明るいグレーの3種類ぐらいで
明暗をつけていく事が大事になります
これがもし、カラーを使う場合でも3、4種類ぐらいにしておくと明暗がわかりやすいかなと思います
この時、あたりを大体つけて斜版の筆でざっくり塗っていきます
今回は正面からの光を想定しています
太い線から徐々に細くしていく
明暗がある程度塗れたら毛の流れを意識してざっくり描きます
この時は、ライオンの顔の部分は短い毛並みなので
明暗を細かく付けていくぐらいでいいです
目の周りのくぼみ、鼻の周りの影、凹凸で光が当たる所などですね
その他は、大まかに毛が流れている部分を描き分けていく作業になります
暗い色→暗いグレー→明るいグレー→ホワイトの順で描く
リアルに毛の質感を作るには重ね描きが大事になります
暗い色→暗いグレー→明るいグレー→ホワイトと簡単に書きましたが
実際には暗いグレーを3段階、明るいグレーを3段階に分けて書き重ねています
ブラックからホワイトの間に細かいグラデーションがありますよね
その色を重ねていくことによって重厚感や、質感をリアルに表現できるようになります
ここで、早く完成させたいと思ってグレーの段階を少なくしてしまうと
物足りないような絵になりやすいので焦らず、コツコツが大事なんですね
顔の部分を描く最適な筆がありました!
これは本当に細かな作業でした…
キャンバスが大きければ描きやすいですが今回はF3サイズだったので
ほぼ点で描きました…
そんな小さなキャンバスに細かな毛を描く時に最適だな!と思った筆は
キャムロンプロアルテージュ2号の筆先の長いタイプです
描き方はというと
まず多めの水を含んだ筆で色を作ります
顔の場合も毛が長い部分も基本は筆の先で描いていきます
この時に注意してほしい事は筆を持つ手の位置が違う点です
顔の部分を描く時は筆先に近い所を持ちます
毛の長い所を描く時は力を入れすぎないように筆の上の部分を持って描いていきます
そうする事で、一本の筆で点画のように描けたり、力を抜いて細い毛を表現できるようになりますよ
毛の質感を変えて変化をつけよう
ライオンのたて髪は質感が変わります
顔の周りにある毛はうねっていたり、まとまっていたりなど流れを感じます
しかし、顔の周りの毛のさらに周りにはチリチリした質の毛で覆われています
その質感を変えることよってよりリアルな絵に近づく事ができるんですね
ここで大事になってくるのがやはり観察力です
全体をぼんやり眺めていても小さな変化には気づきにくいです
なので、細かな所にも目を向けて表現が出来るものはないかと観察していく事が上手くなる方法でもあります
後はひたすら明暗を意識して重ね描きしていく
細かな注意点やコツがわかったら後はひたすら描きます
影の部分、光が当たる部分を段階別に描き重ねる作業です
これは正直……
終わりが見えません!
描けば描くほど深みが出てくるのでここまで描いたらOKな所を
あなたが決めないとなかなか終われません…
私は最終、ホワイトのみで描き出したら終わりと決めています
それまでは何層も重ねる事です
あなたもこれで終わり!という部分を決めてから描く事をおすすめします
初心者にオススメ!グレースケールで描く事で身につく事とは?
もう一つグレースケールで描く事でわかりやすくなる事があります
それは明暗の付け方です
グレースケールで描くという事は彩度がありません(彩度とは色の鮮やかさです)
もし、カラーがある絵だとしたら…
赤だったら何種類かの赤があり、それを明度と一緒に考えていかなければいけないんですね
その赤の色の変化を彩度で見ていくんですがこれがまた難しい…
それは、色みにもよりますが状況によって見え方が変わってしまうんです
なので、一瞬で色味を決めることはプロの絵描きでも難しいと思っています…
なので、先に白と黒またはモノクロで描く事は明度を捉える練習になるのでやって損はないです!
グリザイユ技法もできちゃう!
ちなみに、グレースケールで描いたライオンの上から透明、半透明のブラウンなどを
薄く塗る方法もできます
先にグレーや、モノクロで明度を意識して描いてから色味を足していく方法ですね!
色味を足すときには透明度の高い絵の具か多めの水で溶いた絵の具を足していく事をおすすめします
その場合、不透明の色は使わないでくださいね!
完成した毛の質感や、明度が全て消されてしまうので!
さいごに
今回はキャンバスにどれだけ細かく描けるかを検証しました
確かに、キャンバスは布の凹凸があるので木製パネルよりは細かくならないかもしれません…
しかし、ジェッソを何層も塗る事や、今回はヤスリを使いませんでしたが
ジェッソを何層か塗ってヤスリをかけてまたジェッソを塗ってと
キャンバスの表面を滑らかにする方法もあります
なので、動物の毛をキャンバスに細かく描く事は全然できます!
後は筆の選び方や水の含む量で決まってくると今回、実感しました
ジェッソを何層も塗る(3層ぐらい)
キャムロンプロアルテージュ2号は細かい毛を描くときに最適
明暗だけを意識して描く事で明度のバランスが身につく
質感を見ていく事で観察力が身につく
グリザイユ技法で後から色味を変えられる
グレースケールで描くというのは色を扱わないので面白くなさそうに思われるかもしれません…
でも、白と黒だからこそ、重ね描きによって深みのある絵を作り上げることができます
普段私は色を多く扱う絵を描いていますが、これを機に
モノクロなどの色味の少ない作品も面白いなと感じています
なので、絵を描く事にまだ慣れていない方は是非、このグレースケール、モノクロに
挑戦して、カッコいい作品を作ってみてほしいと思います!
それでは、また!
最後まで観て、読んでいただきありがとうございました
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